このコラムでも何度か紹介してきた、弊社が開発・運用している電子出版プラットフォーム「NextPublishing」ですが、お問い合わせいただくことが多くなってきたので、このたび解説書を作りました。出版、電子出版、コンテンツビジネス関係者にはお役に立つと思いますので、ぜひご一読ください。
■PDF版(無料ダウンロード)
■電子書籍版は100円、POD書籍版は500円で発行しました。
http://nextpublishing.jp/book/7090.html
以下は、その「はじめに」からの抜粋です。
出版産業の右肩下がりが止まりません。統計資料によると、1997年あたりをピークにその後、下がり続けています。
その理由にはいくつかの見解があると思いますが、最大の理由は、近年のデジタルメディアの台頭によるライフスタイルの変化ではないでしょうか。インターネット、スマホという双方向型デジタルメディアが台頭し、紙の出版メディアは年々、利用者のメディア接触時間を減少させています。その結果、書籍の売上低下を招いており、雑誌の広告媒体としての価値も低下させ、広告売上も激減させていると思えます。
それ以外にも、「品切れ問題」、「高返品率」、「企画の偏重と画一化」、「編集人材の減少」など、永年の制度疲労により抱え込んでしまった課題があります。
出版産業は、体系的知識の提供、秀でた専門家の社会デビュー、デジタルデバイドされた側への情報提供などの観点で、重要な社会的ミッションを持っています。このミッションを継続するためには、保護や延命ではなく、経済効率性に耐えられるような方法論の変更が必要だと思います。これを実現するには、本を「モノ作り」の観点から、「知の生態系」のゲートという観点に発想を拡大する必要があるのではないでしょうか。
本書は、株式会社インプレスR&Dが開発・運営している「NextPublishing(ネクストパブリッシング)」について解説した書籍です。NextPublishingは前記の課題を解決するために開発された電子出版プラットフォームで、インターネットがある時代において、インターネットと共に成長していける新しい出版を提案しています。本書により、その機能や効能を知っていただき、共に新しい時代の出版を創っていければ幸甚です。
インプレスR&D発行人/OnDeck編集長 井芹昌信
※この連載が書籍になりました。『赤鉛筆とキーボード』